懐かしさ
夕暮れに川を眺める。
何かとても、懐かしいような気がして、何かとても、甘く優しいものを思い出せそうな気がして、ぐっと集中してしまう。
レモンドロップを舐めてるような心地よさと切なさ。
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川を見るとどうして懐かしい感じがしてしまうのでしょう。
別にわたしの実家近くに川があったわけでもなく、というかほとんど川なんてものと無縁の場所で過ごしてきたのに。
高校生の時に、作家のよしもとばななさんの書く文章が大好きで、たくさん彼女の本を読みました。
その中に、川にまつわるお話がありました。
ちょっとはっきりとは覚えていないのだけど、川のそばで育った女の子がある時にその記憶をなくしてしまっていて、でもいつか思い出すというような話。
そこからいろんな大事な記憶が蘇ってきて、とまどいと喜びを感じるというような。
そして、わたしは多分、川を見てその川にまつわるお話を読んだ頃のことを思い出すのだと思います。
川が誰かにとってそんな特別なものになりうるという事実にびっくりしたものだから。
そしてそのお話をとても魅力的だと思って、しばらくは川を探し、わたしにとって特別な意味をもつ川を見つけようとしていた頃。
今考えたらおもしろい話。
若かったんだなぁと思います。
わたしは海のすぐそばで育ったのにな。
まだまだたくさんの未知と好奇心にどきどきしながら暮らしていた毎日と、その気分。
川を見て懐かしむのは、きっとそんなものたち。
*お知らせ
5/17、mug 'n mugの'futari'を更新しました。どうぞ、ご覧下さいませ^^
by tomily
| 2008-05-17 22:23
| くらし