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2月の徒然 ④

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nikon fe2, pkr64/ 去年のイタリア写真。鮮やかだけどさりげない、そんな咲き方が似合う素敵なイタリア。

このごろ、調子づいてたくさん書いてます。
一週間に何回もここでお喋りをするのも久しぶり。
喋りたいモードに入ってます。

今日は写真の話を。


写真のことは日々、たくさん考えます。
たくさたくさん考え、たくさん悩み、なかなか答えも見つからず解決もせず、そうしてずっとずっと悩み続けて、そしてそんな状態が楽しくて幸せだったりします。
そんなわたしでも、何年かこんな状態を続けてるとそれなりにわかってくる自分と写真の関係というものもあります。


わたしが写真に求めるものを追究してきた結果、自然とわたしのまわりには古いカメラが集まってました。
綺麗で、確実な写真を撮りたいならデジタルに勝るものはないです。
それでもわたしは古い、完全マニュアルなカメラを使いたがるんです。
どうしてもそちらに惹き寄せられていっちゃうんですけれど、その理由をずっと考え続けています。
今のところわかっている答えは、可愛くて愛おしくて仕方がないから、それと、綺麗で確実な写真を撮りたいと思っていないというところまで。
わたしの心の目が見る情景を捉えることのできるカメラを探したら、自然と古いものへと遡っていったという感じです。
もちろん、出来上がった写真だけの問題ではなく、最終作品を手にするところまでの行程すべてを含めての問題です。
露出計、距離計のついていないカメラを使うのも楽しく、その後現像して一喜一憂、手焼きに手こずるのもおもしろかったり。
そして、先日、終に、1937年のライカを、1935年のレンズと一緒に買ってしまいました。
きっとこのカメラでは白黒写真しか撮らないと思います。
カラーも撮るかもしれませんが、白黒中心かなって思います。
自分で現像して自分で焼く。
そうすることがふさわしいカメラだと思うし、そういう時代に作られたカメラだから。
カメラの声に耳を傾けるのも大切なことです。


わたしの心の目が見る情景を捉えられるカメラ、という観点からカメラという道具を見渡してみると、ポラロイドというのもどうしてもわたしには外せない道具です。
道具という呼び方はカメラに対して失礼かもしれません。
相棒と呼びましょう。
シャッターを押すと、自動的にウィーンガシャッとフィルムが出てきて勝手に現像作業が始まるインテグラルフィルムというフィルムを使うポラロイドも好きですが、このごろはピールアパートという、撮影後に自分でフィルムをカメラから引き抜いて、所定現像時間を待ってからかぶさっている紙を剥がしてやっとイメージを得ることができるポラロイドの方がどちらかというお気に入りです。
以前は手持ちのハッセルブラードや、マミヤRB67にポラロイドバックという、ポラロイドフィルムを装填してカメラにくっつけることができるものを使って撮っていましたが、この方法だとフィルムに未露光の部分が多く残ってしまうのがもったいないのです。
というわけで、ピールアパートフィルム専用のポラロイドのランドカメラも買うことになりました。
さて、どうしてインテグラルフィルムよりもこのピールアパートの方が好きかというと、面倒くさくて、状況に依る影響がより大きく写真に出るのがこちらだからです。
ということは、わたしは、手のかかる面倒くさい作業、一定しない仕上がりというのも、写真に求めているのかもしれません。
ポラロイドと言えば、2008年にすべてのフィルムが生産終了を迎えてしまい、とても残念な年だったわけですが、それでもその後もなお存続活動に献身してきたグループがいます。
当初の予定では今月22日に新製品の発表となるかという感じだったのですが、先週末にとても深刻な問題に直面してしまったようで、とりあえずの発表を来月22日に延期、その後の進退をそこで明らかにするとのことです。
非常に心配と不安が募ります。


生産終了という言葉は、フィルムで写真を撮っている人たちの間では、とても敏感になってしまう言葉です。
デジタル化が進む一方で、数々のフィルム、そして印画紙が生産終了を迎えています。
去年、長年にわたって、カラーフィルム写真を楽しむお父さんたちのアイドル的存在だったコダック社のコダクロームというフィルムが終に生産終了を迎えてしまいました。
他のスライドフィルムとは違った方法での現像行程を必要とするため、ごく限られた場所でしか現像できなかったフィルムですが、その生産終了のニュースには、「あぁ、とうとう来たか。。。。。」と言う感じで、悲しいけれど大人しく受け入れるしかありませんでした。
今日の1枚も、去年のイタリア旅行の時にコダクロームプロ64で撮った中の1枚です。
このフィルムが生み出す赤の優しく古くさい色が好きだったのです。
今、世界中で唯一このフィルムを現像してくれるラボも今年限りで現像打ち切りです。
まだわたしの手元にも10ロールと少しのコダクロームが残っていますが、今年のみの撮影の楽しみとなり、そしてできあがるスライドは一生の宝物になるはずです。


写真のことを話し始めたら、終わりなどないのです、いつでも。
だからずっと考え続け、悩み続け、悔しかったり楽しかったりして、毎日がとても豊かです。
1937年のライカは、今テスト撮影中。
おととい、テスト撮影1ロール目を現像しましたが、少し不安の残る点もあり、今2ロール目を撮影中です。
今日、お昼から現像、検証する予定、その前にカフェでお茶でもしようかな。。。。。
by tomily | 2010-02-12 03:25 | くらし