flower child

Top

6月の徒然 ⑤

b0088205_236942.jpg

nikon fe2, kodachrome pro64/ 「ネギを刻む母」という題名の写真。

別にコダクロームをフィーチャーしているわけでもなんでもないんですが、ぱっと目につく写真はコダクロームで撮ったものだったりするこのごろです。
あのこっくりとした、そして少し寂しい感じの色が今の気分なのでしょう。

今日の写真は2年前に日本に帰った時のものです。
日本の台所ったら大体において暗いし、しかも節約派の母は、北向きの台所でぎりぎりの暗さになるまで電気もつけずに支度をするから、撮れた写真はこの有様です。
何も、ずべてを日本の台所事情や、我が実家のつくりや、母のせいにするわけではないです。
軽いカメラで撮ると、たいていブレちゃうわたしだって悪いんです。
コダクロームが暗いフィルムだってことだって。
でも、暗い台所も、懐かしい北向きの台所も、節約家の母も、コダクロームも、強いてはへたっぴなわたしの写真の腕さえも愛おしく感じられるんです、何故か、この写真だと。

この写真はわたしのお気に入りです。
ネギを刻む母の姿は、わたしをほっとさせます。
ネギは母の好物だから、母はいつもネギの千切りをタッパーに入れたものを冷蔵庫に欠かさなかったし、我が家ではネギののらない味噌汁も冷や奴もあり得なかったし、時に母はネギに鰹節と醤油をかけたものをつまみにお酒を飲むことだってありました。
実家に戻って冷蔵庫を開けて、刻みネギのタッパーが入ってるのを見つけると、言いようのない深い安堵に包まれるのです。

コダクロームの色や優しい輪郭線と、こういう大切なシーンの中に含まれる、言葉にできない思いとの相性はあまりにもぴったり。
フラッシュバックする懐かしい光景を眺めているような感覚に陥ります。
少年たちがプロ野球選手のブロマイドを集めたように、わたしもコダクロームのスライドを宝物を集めていく気分で撮り貯めていってます。
いつかおばぁさんになった時、宝物を押し入れの奥からごそごそと取り出してきて「ふふふ」と笑いながら太陽の明かりに透かして見るのが夢です。
[PR]
# by tomily | 2010-06-17 03:03 | くらし