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コダクロームとイタリア

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【nikon-fe2, pkr64, ostuni/italy 早朝だけど陽はすでに高く、白い街はより一層白くまぶしいのでした。】 

つい先日、コダック社より、コダック製品のひとつ「コダクローム64」というフィルムの生産を今年の秋に終了するという宣告がありました。
わたしにとっては、「宣告」というくらいの重みを持った出来事でした。
以来、この2〜3日、コダクロームのこと、フィルムのこと、フィルムカメラで写真を撮ることについて考え続けています。

コダクロームはわたしの大好きなフィルムです。
もう大分前から生産されていない状態が続いているようで、市場に出回るフィルムはストックからの補充のようだったので、なんとなくこの宣告が近いだろうということは予想していました。
日本では少し前にすでに市場から姿を消していたし、このフィルムは通常のスライドフィルムとは違った現像方式をとるものなので、今や唯一の現像ラボであるアメリカカンザス州にあるラボには世界中からのコダクロームが集まっているはずです。
このラボからも、コダクロームの現像受付は2010年いっぱいまでという発表がありました。



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【nikon-fe2, pkr64, ostuni/italy 水色のドアや窓枠に心惹かれ続け、そしてこんなかわいいドアノブ発見!】 

想像したくない予測、怖れがあったし、大事な瞬間はどうしてもこれで撮っておきたい、と思ったので、イタリア旅行には10本弱のコダクロームを持っていき、他のフィルムと使いわけながら写真を撮っていったわけですが、それでももっとたくさんのコダクロームを持っていっておけばよかったと後悔したくらいに、やっぱりコダクロームはわたしの期待を裏切らない写りをしてくれました。

どこか懐かしような、素直でまっすぐな色、空気の質感までが感じられるような優しい表現、やっぱりやっぱりこのフィルムが好きって、使う度に思うのです。
スライドフィルムなので、現像からあがって手元にスライドが帰ってきた日には、スライドプロジェクターにフィルムを詰めて部屋を暗くして鑑賞します。
部屋の真っ白な壁に浮かび上がる映し出された画像に、撮った時の思いが再び蘇ります。



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【nikon-fe2, pkr64, ostuni/italy 真っ白な街の緑はとても色濃くて、その生命力に感動するばかりでした。】

さて、ここでこの写真たちについても少し触れておきます。
ここはイタリアのかかと部分にあるプーリア州の小さな街、オストゥーニという街です。
一週間ちょっとのイタリア滞在、行きたい場所は点在していて、中でもこの場所は非常にアクセスが難しい場所だったのであきらめようかとも思ったのですが、わたしのわがままでどうしてもここだけは行っておきたいと思って訪れた場所でした。
そしてやっぱり、この街を訪ねることができてよかった。
わたしはすっかりこの街に恋してしまいました。
真っ白な迷路のような旧市街地をあてもなくぶらぶらと彷徨い、石畳の重厚さ、白い壁の眩しさ、緑の濃さ、乾いた空気の清々しさ、それらを感じながらゆっくりと歩みを進めたのでした。
こここそが、わたしがコダクロームで撮っておきたかった場所だ、そう確信しました。

これから先、コダクロームとのお別れの時がくるまで、大切な場所や時間を大事にこのフィルムにおさめてゆこうと思います。
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by tomily | 2009-06-26 05:16 | くらし